いまや、大手企業だけでなく中堅・中小企業についても、海外取引に係る税務調査が急増しています。特に、移転価格調査においては、他の税務調査と比べて提出を要求される書類が複雑かつ膨大であり、長期にわたることは周知のとおりですが、企業が事前準備のないまま資料を提出することは、調査が企業にとって不利な方向へ向かうリスクを高めます。本セミナーでは、これから移転価格の対策を始める実務担当者が、海外取引に係るリスクに万全に備えられるよう、移転価格文書作成にあたっての基礎知識から海外出張・出向に伴う寄附金課税を回避するための対応策まで、実際の事例を交えながら実践的に解説いたします。
信成国際税理士法人 代表社員 税理士 信成コンサルティング株式会社 代表取締役 高木 慎一氏
1999年国家公務員I種試験合格、2000年横浜国立大学経済学部卒業、アクセンチュア入社。2006年中央大学国際会計研究科修了MBA取得、税理士登録。2007年税理士法人プライスウォーターハウスクーパース入社。2011年信成国際税理士事務所開設。2012年ノベル国際コンサルティングLLP参画。移転価格文書作成・移転価格ポリシーの構築・グローバルコアドキュメンテーション・APA等の幅広い経験を有しており、海外展開している日本企業に対して、移転価格コンサルティングサービスを提供している。また、日本税務会計学
会国際部門委員を務めるとともに、各種実務セミナー講師としても活躍中で、豊富な経験をふまえた実践的な講義には定評がある。
【主著】「図解国際税務早わかり」(中経出版)、「移転価格文書の作成のしかた」(中央経済社)。月刊「国際税務」にて「中国税務最新動向」を連載中。
日時 |
平成27年11月13日(金)10:00~17:00 |
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会場 |
みずほ総合研究所 セミナールーム |
対象者 |
経理・国際部門幹部・担当者 |
参加費 |
特別会員32,400円(うち消費税(8%)2,400円) |
お申込み |
ホームページで、又は参加申込書にご記入の上、当総合研究所あてご郵送またはファクシミリでお申し込みください。 |
主催 |
みずほ総合研究会 |
1 はじめに~最近の国際課税をめぐる環境~
(1)更正所得金額・更正件数の推移
(2)移転価格課税事例 ― どのような取引が増えているのか
(3)移転価格課税の近年の傾向 ― もはや大企業だけが対象ではない!?
(4)移転価格上の税務コンプライアンス
2 移転価格とは ― 移転価格税制の基本原則
3 移転価格税制の基礎実務 ― 適用対象者と移転価格の算定方法
(1)移転価格税制の適用対象者
(2)移転価格の算定方法
①独立企業間価格算定方法
②独立価格比準法
③再販売価格基準法
④原価基準法
⑤利益分割法
⑥取引単位営業利益法
(3)移転価格算定方法の比較指標の特徴
4 移転価格文書作成にあたっての基礎知識
(1)移転価格文書とは
(2)移転価格文書導入の背景・内容と影響
(3)提出または提示を求められる書類の内容
(4)移転価格文書の作成範囲
(5)効率的に作成するための文書の共通化
(6)移転価格文書の作成手順
(7)日本親会社のリスクを最小限に抑える外国子会社の移転価格文書への対応
5 移転価格調査において最重要視される資料の1つ「切出PL」の作成
(1)切出PLの概要
(2)切出PLの重要性
(3)切出PLの作成手順
6 移転価格文書作成にあたっての実務ポイント
(1)事実分析
(2)機能リスク分析
(3)経済分析
(4)独立企業間価格算定方法の選定
(5)移転価格文書作成の実施形態
(6)移転価格文書作成の作成事例
7 海外出張・出向に伴う寄附金課税の概要
(1)海外出張・出向の主な論点
(2)対価を回収すべき役務提供取引
8 寄付金課税を回避するための対応策
(1)対応策としての役務提供ポリシー構築
(2)株主活動に該当するか否かの判断基準
(3)経済的又は商業的価値の有無の判定
(4)適切な移転価格算定方法の選定
(5)独立企業間価格の算出
(6)役務提供ポリシーの構築事例