法制度
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- 1983年所得税法18条で移転価格税制が規定されている(のちに、1991年、1994年、2000年所得税法及び2008年のNo.36所得税法にて修正されている)。
- 2010年No.PER43/PJ/2010(PER-43)に移転価格規制が発布された。これは関連会社間価格をきめるもので、比較可能性分析、移転価格算定方法の選択、独立企業間価格の決定、移転価格制度の文書化のフォーマットなどを含む。2011年にNo.PER32/PJ/2011で追加指針を加え、改定された(PER-32)。これまで優先順位に従うことが求められていたものが、最も適切な算定方式を選定。
- 2013年、移転価格調査ガイドライン(PER22/PJ/2013)が発布(7月1日より発効)。その後、2013年に、さらなる細則を定めたSE-50/PJ/2013が発布。
- 2010年、事前確認(APA)のためのガイドラインPER69/PJ/2010が発布(12月31日付)。2015年に、新ガイドラインNo.7/PMK.03/2015が発布(1月12日付)。
- 2010年、相互協議(MAP)のためのガイドラインPER48/PJ/2010が発布(11月3日付)。2014年に新ガイドラインNo.240/PMK.03/230(PMK-240)発布(12月22日)。
- 2013年、移転価格調査ガイドライン(PER22/PJ/2013)が発布(7月1日より発効)。その後、2013年に、さらなる細則を定めたSE-50/PJ/2013が発布。
- 2016年12月30日付け、移転価格文書に関連する新たな要請事項として財務省規定第213号(PMK-213)を発行。同規定で関連者間取引を行う納税者にはマスター・ファイル、ローカル・ファイルおよび国別報告書を準備することを要請。BEPS行動計画13の内容と一致。
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移転価格算定方法
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- 通達第43号で、適用できる移転価格算定方法が規定されている(CUP法、RP法、CP法、PS法、TNMM)。
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申告時の情報開示
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- 法人税の年次申告書の様式に係わる税務規則の発令により、2009年以降、移転価格に関する情報が以前よりも詳細に求められるようになった。(例:対象取引、取引金額、関連者情報の詳細、移転価格算定方法とその適用理由、移転価格文書の有無等)
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移転価格文書
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- 2008年GR80/2007で、に移転価格文書化の義務が規定され、年100億を超えるインドネシアルピアのクロスボーダー取引には文書が作成されなくてはならない。国内関係者間取引においても、取引企業間で課税関係が異なる場合、また、奢偧税のかかる高価格品の取引があった場合、また、石油・ガス産業の請負者との取引があった場合、文書化が必要となる。
- 新移転価格ガイドラインでは(PER32/PJ/2011)、公正価格、公正利益のための文書は納税者によって利用可能にされなければならないとし、文書には以下の説明を含むことを要する。
・企業グループの構造、資本関係、組織構造、事業活動、競合他社一覧 ・移転価格設定方針、費用配分方針 ・取引商品の比較可能性分析、機能分析、契約条件、事業戦略 ・比較対象企業、・合理的な移転価格算定方法の適用結果
- 文書は、法人税申告と同時には提出要求はないが、税務当局から要求があった場合、最大30日以内に提出しなくてはならない。しかし、PER-22、SE-50に基づいて監査の際には、移転価格文書に書き入れることのできる10の異なるフォームへの記載が求められ、税務当局からの要求から7日以内の提出となる。
- 2016年度財務省規定213号(PMK-213)により移転価格文書について、マスター・ファイル、ローカル・ファイル、国別報告書の3層のアプローチを導入。
<マスター・ファイル及びローカル・ファイル>
- 文書の要求される基準:関連者取引を行う納税者が、前年の総所得額が500億IDR、前年の有形資産取引額が200億IDRあるいは前年のサービス、ロイヤリティ、利息、その他の取引額が50億IDRを超えるか、インドネシアの法人税率(25%)よりも低い税率が設定されている国に所在する関連者と取引をおこなっている場合、いずれかにあてはまる場合には文書の準備が要求される。また、納税者が親会社となる場合、当期の連結ベースでの総所得が11兆ルピア以上の場合にも移転価格文書の準備が求められる。
- 事業年度の末日より4か月以内に提出の準備をおこなわなければならない。マスター/ローカルファイルは年次法人税申告書(CITR)や次年度の納税時申告書時に提出する国別報告書の添付書類のなかで要約が記されていなければならない。要約では、マスター/ローカルファイルには最低限要請されている事項が開示されていること、両ファイルの作成日が記載されていることの納税者の宣言が求められる。
<国別報告書>
- グループ会社の親会社に該当し、当期の連結ベースでの総所得が11兆ルピア以上の納税者は国別報告書の作成・提出が求められる。親会社が国外に所在する場合、親会社の所在国における状況がインドネシアとの間で情報交換に関する協定がない場合、あるいは、協定が存在しても国別報告書をインドネシア政府が入手できない場合、にはインドネシア納税者に国別報告書の提出義務があるとされる。
- 事業年度末から12か月以内で準備をし、翌事業年度法人税申告書とともに提出。
- 上記3種類の書類の言語はインドネシア語。例外として英語が認められる場合もあるが(ルピア以外の通貨による記帳及び英文での記帳が認められている納税者)、インドネシア語訳を求められる。
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罰則
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- 更正処分を受けた場合、追徴税額に対して月々2%の延滞税(最大24ヶ月で48%)が課される。ただし、2009年以降、追徴税額の納税猶予を選択し、納税者が異議申立てで棄却された場合は50%、裁判で敗訴した場合は100%の加算税が課される。犯罪行為に対しては、3か月から6か月の懲役および、最大400%の追徴課税。
- 納税者がマスター/ローカルファイルを法人税申告書の提出時に作成していなかった場合には、その法人税申告書が不完全であるとされる可能性有り。法人税申告書が不完全とされた場合には、未払税金の最大200%をペナルティとして国税総局が徴収するとともに刑事制裁を受けるリスクがある。
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挙証責任
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APA
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- APAの正式申請をするには、事前相談でのインドネシア国税総局の承認が必要。事前相談の申請期限は、確認対象初年度開始日の6か月前まで、正式申請の期限は確認対象初年度開始日の前日まで。事前相談では移転価格文書が利用される。
- ユニラテラルAPA及びバイラテラルAPAが可能。
- 確認対象期間はユニラテラルAPAが合意した年度から最長3年間、バイラテラルAPAの場合は最長4年間と規定されている。ロールバックの申請も可能。
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その他
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- 移転価格問題はクロスボーダーに比重が置かれているが、法律は内国取引にも適用する。
- 関連者取引では、所得税法18条4項と付加価値税法2条2項で特殊関係にあるものとの間の取引が対象となる旨規定されている。この場合、特殊関係とは、直接間接的な25%以上の出資・被出資関係、実質支配関係、直接間接一親等の血縁、親族関係をさす。
- 法令上の指定言語はないが、記録言語としてインドネシア語と英語適用。
- 税務当局は納税者による税務申告時の還付申請時点から1年以内に納税金額を確定させなくてはならない。
- 2016年度発行のPMK-213は移転価格文書に関する要請事項であり、既存の国税総局長令(PER-43、2011年)はそのまま有効。
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