シンガポールの移転価格税制 | 移転価格.com | 国際税務専門の税理士事務所|信成国際税理士法人
移転価格辞典
世界の移転価格税制

シンガポールの移転価格税制

法制度

  • 2006年2月に移転価格に関するガイドラインが公表された。同ガイドラインがシンガポールでの移転価格に関するガイドラインの端緒となる。
  • 2008年7月、移転価格調査に関連する移転価格コンサルテーションが公表された。
  • 2008年10月、事前確認制度(APA)に関するガイドラインが公表。
  • 2009年2月、関連者間ローン及び役務提供取引に係るガイドライン発行。
  • 2014年9月、改訂ガイドライン草案が公表され、同時文書化に関する新たな指針が示された。
  • 2015年1月6日にシンガポール内国歳入庁(IRAS)は改訂版移転価格ガイドラインを公表した。これまで個別に出されてきたガイドラインを統合した包括的ガイドライン。OOECDを中心とした世界的流れに協調路線。
  • 2016年6月16日にシンガポール財務省はBEPSの施行についてOECDの包括的枠組みに参加することを表明し、CbC報告書の施行を公表した。マスターファイルとローカルファイルについても2016年度9月頃に新たな規則の導入が見込まれている。

移転価格算定方法

  • CUP法、RP法 、CP法、PS法、およびTNMMの5法ならびにそれらに準ずる方法の適用が認められている。
  • ベスト・メソッド・ルールが採用されている。

申告時の情報開示

  • 申告時の情報開示義務なし。

移転価格文書

  • 2015年改訂版ガイドラインにより同時文書化の必要明確化。2015年11月30日を申告期限とする事業年度から。
  • IRASから文書化要請があった場合、30日以内に提出。
  • 同時文書は毎年の検証が必要(事業内容に変更がない/移転価格リスク僅少と思われる場合にも3年に一度の定期的な更新が求められる)。
  • 同時文書にて納税者の移転価格が独立企業間価格であることを証明できない場合には、移転価格の所得税額調整、相互協議不受理、APA申請の不受理等の不利益が生じる可能性有り。
  • 2016年度より、連結総収入金額が10億125万SGD(750百万ユーロ相当)で、親会社がシンガポールにある多国籍企業は国別報告書の提出義務化。提出時期は、会計年度最終日から12か月以内。
  • 同時文書の言語は英語。

罰則

  • 1,000SGD以下の罰金または6ヶ月の以下の懲役

挙証責任

  • 納税者側にある。

APA

  • ユニラテラルAPA ・バイラテラルAPAともに認められている。

その他

  • 2015年度の改訂版ガイドラインにおける同時文書化の免除要件:
    税率が同じシンガポール国内の関連会社間の取引 / 同じシンガポール国内の関連会社間の貸出取引で、貸手が金融事業に従事していない場合 / 関連者間の事務的なサービス取引に関して、コスト+5%マークアップで対価が設定されている場合 / 税務当局からのAPAを受けている関連者間取引
  • 2016年新ガイドラインでは関連者取引間の独立企業間原則の遵守を明確化。