中華人民共和国香港特別行政区との租税協定が署名されました
本日、日本国政府と中華人民共和国香港特別行政区政府との間で「所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府と中華人 民共和国香港特別行政区政府との間の協定」の署名が香港で行われました。我が国と香港との間では、これまで租税協定は存在せず、本協定は、両者の緊密化す る経済関係を踏まえ、新たに締結するものです。
本協定は、国際的な二重課税を調整するため、我が国と香港において課税できる範囲を明確にするとともに、我が国と香港との間で生じた課税に関する問 題を円滑かつ確実に解決することができるよう税務当局間の協議の枠組み(その仲裁手続を含む)を設けています。これらにより、相互の投資・経済交流を一層 促進することが期待されます。
また、本協定により、国際標準に基づく税務当局間の実効的な情報交換の実施が可能となり、G20等で重要性が確認されている国際的な脱税及び租税回避行為の防止に資することとなります。
1.署名に至る経緯
両政府は2010年3月に正式交渉を実施し、同月中に協定案につき基本合意に達しました(3月31日公表)。その後、詳細な条文の確定作業を経て、本日の署名に至りました。
2.今後の手続
本協定は、双方においてそれぞれの国内手続(我が国においては国会の承認を得ることが必要)を経た後、国内手続が完了したことを相手に通告し、遅い方の通告が受領された日から30日目の日に効力を生じ、我が国については、以下のように適用されることとなります。
(1)源泉徴収される租税に関しては、効力を生ずる年の翌年の1月1日以後に租税を課される額
(2)源泉徴収されない所得に対する租税に関しては、効力を生ずる年の翌年の1月1日以後に開始する各課税年度の所得
(3)その他の租税に関しては、効力を生ずる年の翌年の1月1日以後に開始する各課税年度の租税