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パナソニック、100億円申告漏れ 海外子会社取引で

◇大阪国税局の税務調査で指摘

大手家電メーカーのパナソニック(大阪府門真市)が大阪国税局の税務調査を受け、2013年3月期までの2年間で約100億円の申告漏れを指摘されたことが関係者への取材で分かった。主に海外子会社との取引を巡るもので、約3000万円は悪質な所得隠しと認定された。赤字との相殺で、約2億円を追徴課税(更正処分)されたとみられる。

関係者によると、パナソニックは複数の海外子会社に無償で人材を手当てしたり、技術面で支援したりしていた。国税局は、この人的・技術的な支援について、本来は子会社側から費用を受け取る必要があると指摘。無償支援は子会社への実質的な「寄付金」に当たり、課税対象になると認定した。

約100億円とされた申告漏れの大半は、こうした海外の子会社への支援を巡る指摘とみられ、国税局は過少申告加算税を追徴課税した模様だ。

また、約3000万円については、仮装・隠蔽(いんぺい)を伴う悪質な所得隠しと判断した。海外事業に絡み、本来は経費にならない費目や領収書がないものを控除し、所得を意図的に圧縮した疑いがあり、重加算税の対象になったという。

ただ、過去の赤字と課税所得の大半を相殺できる税務上の規定があり、今回の追徴課税額は約2億円にとどまったとみられる。

パナソニックを巡っては、国税局が11年3月期までの7年間で、部品を不当に安く売ったなどとして、海外子会社との取引を「寄付金」と認定、計約340億円の申告漏れを指摘した。

パナソニックは13年3月期までの2年間で計1兆5200億円を超す赤字を計上したが、14年3月期連結決算は売上高約7兆7365億円、最終損益が約1204億円の3期ぶりの黒字となった。

パナソニック広報グループは今回の追徴課税について「国税当局と見解の相違はあるが、指摘に従い適切に対処する」としている。
(出所:毎日新聞)