移転価格文書の内容と移転価格ポリシーの内容 | 移転価格.com | 国際税務専門の税理士事務所|信成国際税理士法人
移転価格辞典
移転価格文書作成の実務

移転価格文書の内容と移転価格ポリシーの内容

【Q】
移転価格文書の内容と移転価格ポリシーの内容は一致する必要がありますか。

【A】
必ずしも一致する必要はありません。

【解説】
移転価格ポリシーは国外関連者間での価格設定の取決めです。これは、直接的に価格を設定するとしても、原価に一定の利益をのせて算定したり売価から一定の利益を控除して算定したりといった方法が考えられますが、特に移転価格税制において制限されるものではありません。

移転価格文書では、ある年度の実績について移転価格の問題が生じていないことを検証することから、移転価格税制において定められた方法に沿って、移転価格算定方法を選定し、独立企業間価格を算定する必要があります。

どのような価格設定の方針を採ったとしても、それが最終的に独立企業間価格に一致するのであれば移転価格の問題は生じていないことになります。したがって、移転価格文書での移転価格算定方法と、移転価格ポリシーで採用する価格設定の方法を一致させる必要はありません。

言い換えれば、仮に価格設定の方針として移転価格算定方法として認められた方法を採っていたとしても、実績として独立企業間価格と乖離してしまった場合は移転価格の問題になります。そこに所得移転の意思があったかどうかは考慮されないことに注意が必要です。