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コラム

平成21 事務年度の「相互協議を伴う事前確認の状況」について

国税庁では、納税者の予測可能性を高め、移転価格税制の適正・円滑な執行を図る観点から、相互協議を伴う事前確認を実施しております。

1.相互協議の発生件数

  • 互協議事案の全体の発生件数は増加傾向にありますが、9 割以上を移転価 格に関するものが占めており、近年はその中でも事前確認に係る事案が約7 割を占める状態が続いています。
  • 平成21 事務年度は過去最多の183 件の相互協議事案が発生し、うち事前確 認に係るものも過去最多の149 件に達しました。これを10 年前の平成11 事 務年度と比較すると、相互協議件数で約3 倍、事前確認に係る相互協議件数 で約4 倍となっています。

2.相互協議を伴う事前確認の状況

  • 相互協議を伴う事前確認については、米国及び豪州の事案が大半を占めています。
  • 相互協議を伴う事前確認の相手国数は、10 年前の平成11 事務年度は6 か国であったところ、平成21 事務年度は18 か国に増加しています。
  • 相互協議を伴う事前確認の処理件数は、105 件(前年比115%)で、過去最多となりました。

3.最近の動向

  • 仲裁条項の導入に伴う実施取決めの公表
    • 平成22 年8 月に署名された日蘭租税条約に、我が国で初めて、相互協議に係る仲裁手続が導入されました。これを受けて、国税庁では、オランダの税務当局との間で具体的 な仲裁手続の詳細についての取決めを締結し、平成22 年9 月に公表したところです。仲裁手続は、その後、平成22 年11 月に署名された日香租税協定にも導入されました(日蘭・日香のいずれも国会承認前)。この仲裁手続は、事前確認は対象とはしておりませんが、相互協議手続の一環として、相互協議の開始後2 年を経過しても当局間の解決に至らない場合に、納税者の要請により、独立の仲裁人により構成される委員会の決定を求める手続です。納税者がこれを受け入れ ない場合を除き、その決定に従った相互協議の合意が行われることとなります。これにより、相互協議を通じた事案の解決がより確実なものとなり、相互協議の 実効性が高まることが期待されています。
  • 近年、対OECD 非加盟国の件数が増加しております。
  • 事案の処理に係る期間は、新規事案・更新事案のいずれであるか等、事案の性質により大きく異なりますが、平均すると1件当たり24.7 か月となっています。