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ロイヤルティに係る国外関連取引に基本三法と同等の方法を適用することはできず、残余利益分割法を適用して独立企業間価格を算定する方法が相当であるとした事例(平成22年6月28日裁決)

請求人は、原処分庁が請求人とP国国外関連者との使用許諾取引(以下「本件国外関連取引」という。)には比較対象取引が存在せず、基本三法と同等の方法が適用できないとして残余利益分割法と同等の方法により独立企業間価格を算定したことについて、請求人とQ国非関連者との間における使用許諾取引(以下「本件比較対象取引」という。)は、本件国外関連取引と使用許諾に係る製品種別及び技術が同種であり、また、使用許諾に係る条件に差異はあるものの、実質的に同様の状況にあるか、当該差異がロイヤルティ率に影響を及ぼすと結論付ける合理的な理由はないことから、これを比較対象取引として「独立価格比準法と同等の方法」を適用することができる旨主張する。

しかしながら、無形資産の使用許諾取引に「独立価格比準法と同等の方法」を適用する場合の比較対象取引の選定に当たっては、使用許諾に係る無形資産が「同種」であり、かつ使用許諾の時期、使用許諾の期間等の使用許諾に係る条件が「同様」であることが要件であるところ、本件国外関連取引と本件比較対象取引については、使用許諾に係る無形資産は「同種」であるが、使用許諾開始時期、使用許諾期間、独占許諾・非独占許諾の許諾条件、技術者派遣の有無及び販売地域という使用許諾に係る条件が契約上も実態上も明らかに異なっているものと認められる。そして、本件においては、技術者派遣の有無、許諾条件の相違、許諾期間の制限の有無など、使用許諾に係る条件の差異が明らかに認められ、これらの差異は独立企業間価格(ロイヤルティ率)に影響を及ぼすものであり、その差異による具体的な影響額を調整することもできないものと認められることから、本件比較対象取引を使用して「独立価格比準法と同等の方法」を適用することはできない。

《参照条文等》
租税特別措置法第66条の4第1項、第2項
租税特別措置法施行令第39条の12第1項、第8項
租税特別措置法関係通達66の4(2)-1、66の4(2)-2、66の4(4)-1、66の4(4)-5、66の4(6)-1、66の4(6)-6

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