移転価格辞典
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2015.02.16
移転価格文書作成の実務
移転価格文書と移転価格ポリシー
【Q】
移転価格文書と移転価格ポリシーはどう違うのですか。
【A】
移転価格文書は、一般的にある年度の移転価格の問題が生じていないことを説明する書類を意味します。一方、移転価格ポリシーは、一般的に会社が国外関連者との間の価格設定をどのように決めるかという方針を定めた書類を意味します。
【解説】
移転価格税制では、所得が海外に移転していないかどうかを独立企業原則に基づいて検証することになります。ある事業年度の実績について、比較対象企業との比較により移転価格上の問題がなかったことを事後的に確認し、その経緯を示したものは、一般的に移転価格文書などと呼ばれます。なお、呼び方に決まりがあるわけではないため、違う呼称を用いる場合も当然ありますが、実績の検証結果であるかどうかで判断されます。
一方で、「ポリシー」という言葉をよく耳にしますが、会社が価格設定をする際の方針にも、当然ながら移転価格税制の考え方が取り入れられます。このポリシーをまとめた文書を一般的に移転価格ポリシーと呼びます。これは実績の検証ではなく、国外関連者間の価格設定の取決めのようなものです。
両方の文書をかならず作る必要があるわけではなく、移転価格に関する書類として施行規則で求められている要素が作成した文書の中で確認できればよく、また、結果として独立企業間価格に沿った取引がされていることが説明できればよいと思われます。
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