[終了]【オンライン】移転価格文書(ローカルファイル・マスターファイル・国別報告書)作成のためのノウハウ 6月8日(火)開催
~移転価格文書で何が求められ、書かねばならないこと・書いてはいけないことまでを解説~
移転価格の調査については、例えば、最近の報道で日本経済新聞が、「東南アが課税強化 企業警戒」「コロナで財政難、調査活発に」「移転価格、日系も標的に」(すべて2021年5月17日朝刊)と取り上げているように、東南アジアを中心に海外の税務当局が、コロナ禍で棄損した財政を立て直すために移転価格の調査強化をはかっていると言えます。こうした海外の調査動向について、「所詮、海外のこと」と割り切って捉えるのは、いささか配慮が足らないと言えるでしょう。なぜなら、あらかじめ十分な用意を行い、調査で適切な対応やすみやかな反論ができなければ、課税が行われてしまうからです。そのことは、二重課税を意味し、調査後、解消を求めても、海外の税務当局は、「課税ありき」で調査を開始したのですから、なかなか対応されないのが通常です。そのために、移転価格文書を、親会社主導であらかじめ作成し、適宜、見直しをはかっていく必要性があるのです。
一方、日本の執行に目を転じますと、東京・大阪国税局では、昨年7月、これまで移転価格調査の専担部署であった組織を解体し、移転価格調査を、通常行う一般法人税の調査の中で同時に実施する体制となりました。また、移転価格文書化が本格的にはかられた2016年度以降は、税務署においても移転価格調査の実施が散見され、注意を要します。移転価格文書の作成免除基準は、棚卸資産取引であれば50億円、無形資産取引であれば3億円であることから、取引がそれらの金額を下回っていれば、本来、作成する必要はありません。
しかし、調査において、海外取引にフォーカスが当たり、いざ調査官から、移転価格上の問題があるか・ないかの判断はどのように行ったのかと問われたなら、会社は回答しなければなりません。このことは、否応なしに移転価格文書、あるいは、それらに類した文書を担当者に提示することを意味するのです。そのため、作成免除基準以下の取引を行う会社も、移転価格文書化を作成しているというのが実態でしょう。
海外では、日本円で50億円や3億円といった基準よりもかなり低い金額で、移転価格文書の作成が求められてもいます。最近では、フィリピンの国税当局が移転価格文書化を求めていますし、ベトナム、インドネシア、タイ、香港、マレーシアなども移転価格税制の執行に力をいれています。そのため、企業の経理担当者の方は、これに対応すべく、移転価格税制の知識を得る必要性がぐっと増してきてもいると言えるでしょう。
そこで、本セミナーでは、どのような移転価格文書を作成すればよいのかを具体的に説明いたします。その際に、わが国の移転価格税制に加え、グローバルスタンダードたるOECD(経済協力開発機構)による取り組みやガイドラインなどの視点からも解説いたします。とりわけ無形資産に関しては、税務当局はどのように捉え、重要視しているのかなどを紹介し、最新の改正事項などをも踏まえ、関連事項の対応策やポイントを押さえて参ります。この機会に、どうぞ奮ってご参加ください。
講師
信成国際税理士法人 代表社員・税理士 井藤正俊 氏
元東京国税局 国際税務専門官(移転価格担当)。東京経済大学経済学部卒業後、国税専門官として東京国税局に入局。国税庁・東京国税局にて、相互協議、調査、事前確認審査、訴訟、税制改正など、移転価格に関する事務に通算 11年従事。2017年6月、税理士登録後、移転価格に特化した税務相談等を行っている。
〔執筆〕『移転価格の実務 Q&A』(清文社)、『移転価格文書の作成のしかた(第2版)』(中央経済社)など。
開催要領
日時 | 2021年 6月 8日(火) 13:00~17:00 |
会場 | 本セミナーはWEB会議システム(ZOOM)を利用して開催いたします。 ご自宅やオフィスなどからご受講可能です。 |
受講料 | 会員 35,200円(本体 32,000円) 一般 38,500円(本体 35,000円) |
お申込み | 下記リンクにアクセスしてお申し込みください。 >>WEBからのお申し込みはこちら |
対象 | 経理部門、財務部門、移転価格担当など関連部門のご担当者様 |
プログラム
1.移転価格とは
(1)移転価格の問題とは
(2)独立企業間価格の考え方
(3)移転価格の検証フレームワーク
(4)移転価格課税の最近の動向
2.OECDのBEPSプロジェクト
3.移転価格文書化の導入~平成28年度税制改正の概要
(1)三層構造アプローチ
(2)国別報告書
(3)マスターファイル
(4)ローカルファイル
4.移転価格文書作成のノウハウ
(1)国別報告書
(2)マスターファイル
(3)ローカルファイル
5.移転価格の課税リスクの評価
(1)移転価格リスクの数値化
(2)情報源
(3)リスク評価の手順と過程
(4)リスク評価の要約
(5)回避策(切出PLなど)
6.海外諸国の税務当局におけるBEPS対応の動向
(1)海外における文書化に関連した税制改正の動向
(2)対応策と留意点
7.令和元年度税制改正により導入された特定無形資産取引・DCF法
価格調整措置など
※申込状況により、開催中止となる場合がございます。
※講師・主催者とご同業の方のご参加はお断りする場合がございます。
※録音、録画・撮影はご遠慮ください。