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新型コロナ渦における米国納税者番号の交付状況とその影響

米国内では、新型コロナの感染者の発生が数十万人規模で継続しており、米国歳入庁の納税者番号の交付事務が停滞し、その影響で米国から所得の支払いを受ける非居住者等に対する租税条約に基づく恩典が十分に受けられない 懸念があります。

そこで、今月は、新型コロナ渦の米国納税者番号の交付状況とその影響についてお話しいたします。

1 米国における非居住者等に対する源泉徴収制度

米国の国内法では、非居住者等に対し源泉徴収の対象となる所得を支払う際に 30%の税率により所得税の徴収が行われます。

ただし、租税条約による税額の軽減・免除の対象となる者については、税額の軽減・免除が行われることになります。

租税条約による軽減・免除を受けるためには、この租税条約の恩典を受ける者であることを証明する FormW-8BEN(個人の場合)を作成し、源泉徴収義務者に提出する必要があります。

2 納税者番号(ITIN:IndividualTaxpayerIdentificationNumber)の取得

FormW-8BEN(個人の場合)の作成の際には、米国における納税者番号が必要となります。

個人が納税者番号を取得するためには、当局に対し FormW-7(申請書)、パスポート、源泉徴収義務者からのレター等が必要となります。

源泉徴収義務者は FormW-8BEN に納税者番号の記載がないものは有効とみなさないことから、申請前の取得は必須となるわけです。

3 新型コロナ渦の米国納税者番号の交付状況とその影響

米国においては、新型コロナの新規感染者の発生が数十万人規模で継続していることから、納税者番号の交付事務が停滞しており、2021 年 12 月末現在で、10 月中旬申請分を処理中であることをアナウンスしています。

この交付事務の停滞により、納税者番号の交付を受けられない非居住者は、FormW-8BEN(個人の場合)の作成、源泉徴収義務者への提出ができない事態となり、源泉所得税の対象となる所得支払の際に、所得税の軽減・免除 が受けられず、30%の税率により源泉所得税の課税を受ける影響が懸念されます。