OECDが公表していた「グローバル・ミニマム課税」(第2の柱)に関する重要な文書の翻訳本「グローバル税源浸食防止(GloBE)Pillar Two モデルルール・コメンタリー・事例集」が、公益社団法人日本租税研究会から発行されました。
2021年10月、日本をはじめとするOECD加盟国など137の国と地域は、「新たな国際課税ルール」の最終合意に達しました。その中の1つが、第2の柱――いわゆる「グローバル・ミニマム課税」です。
これを受けOECDは、2021年12月20日、「Tax Challenges Arising from Digitalisation of the Economy – Global Anti-Base Erosion Model Rules (Pillar Two)」、すなわち、第2の柱に関する「モデルルール」を公表しました。
その後、2022年3月には、「Tax Challenges Arising from the Digitalisation of the Economy – Commentary to the Global Anti-Base Erosion Model Rules (Pillar Two), First Edition」、すなわち「コメンタリー」が、また同月、「Tax Challenges Arising from the Digitalisation of the Economy – Global Anti-Base Erosion Model Rules (Pillar Two) Examples」、すなわち「事例集」が公表されました。
しかしそれらは、いずれも英語等の外国語であったことから、翻訳本の発行が待望されていました。
わが国では、令和5(2023)年3月に公布された「所得税法等の一部を改正する法律(令和5年法律第3号)」において、「各対象会計年度の国際最低課税額に対する法人税等」(グローバル・ミニマム課税)が創設されました。 本書は、いまだ情報の少ない「グローバル・ミニマム課税」を深く理解するうえで、最重要書籍の1つと言えるでしょう。
近時、「グローバル・ミニマム課税」に関する政令・省令等の国会通過が待たれる折、実にタイムリーかつ有効な書籍と考えられます。
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