コラム
租税裁判:ロケーション・セービング・その他現地市場の特徴から生じる残余利益の扱いについて~日本ガイシ事件(その1)~
はじめに 残余利益分割法(RPSM)が適用され通常の利益を上回る利益部分は、多くの場合、無形資産の貢献により生じていると捉えられがちです。しかし厳密には、ロケーション・セービングやその他現地市場の特徴により超過利益が生じ…
コラム租税裁判における借用概念~ユニバーサルミュージック事件
はじめに 物事の1つの判断に、他の分野の考え方が用いられ、それが判断の決め手になることがあります。例えば、法人税における「法人」概念がそうと言えるでしょう。 今回取り上げるのは、租税裁判において、会社法の判例で用いられる…
コラム新型コロナ渦における米国納税者番号の交付状況とその影響
米国内では、新型コロナの感染者の発生が数十万人規模で継続しており、米国歳入庁の納税者番号の交付事務が停滞し、その影響で米国から所得の支払いを受ける非居住者等に対する租税条約に基づく恩典が十分に受けられない 懸念があります…
コラムOECDが、1月20日、最新となる2022年「OECD移転価格ガイドライン」(英語・仏語版)の公表・販売
OECDは、2017年、2017年版「OECD移転価格ガイドライン」(以下、TPGと表記します。)を公表と同時に、「取引単位利益分割法」(以下、PS法と表記します。)を中心として、見直しをはかるとしていました。 2018…
コラムOECDが、国際的な最低法人税率15%の国内実施に向けたBEPS第2の柱のモデル規則(ルール)を発表
OECDは、2021年12月20日、「第2の柱に関するモデル・ルール」(以下、「モデル・ルール」といいます。)を公表しました。これは、2021年10月、日本をはじめとするOECD加盟国など137の国と地域で最終合意に達し…
コラム国境を超えるEコマースと付加価値税
コロナ渦においても、日本の個人又は法人がビジネスチャンスを求めて大手のEコマースのプラットホームにテナントショップを開設し、国境を越えて事業を行っています。 EU加盟国の顧客に対する商品の販売後、購入者から購入金額と支払…
コラム米国における非居住者(個人)と外国法人等(会社等) に対する源泉徴収制度
米国では、グーグルが米国内、国外のユーチューブのクリエーターに支払うロイヤリティーに対し、早ければ、今年の6月から源泉所得税を徴収するとのアナウンスがされました。 そこで、今月は、米国での源泉徴収制度についてお話をいたし…
コラム移転価格と知的財産法との関係(その3)
意匠法と移転価格税制の関係 今回取り上げるのは、意匠法です。 「意匠法などと言われても、ピンとこないや」とおっしゃる方もおいででしょう。 意匠とは、デザインのことで、創作されたデザインを保護する法律です。ですから、建物の…
コラム「デジタル経済下における国際課税研究会」が中間報告書を公表
2020年3月、経済産業省は、経済のデジタル化が加速する中、我が国企業の競争力強化及び経済活性化に資する公正な国際課税の在り方を検討するため、「デジタル経済下における国際課税研究会」を設置し、第1回を3月1日に開催しまし…
コラム移転価格と知的財産法との関係(その2)
重要な無形資産と残余利益分割法 日本の法人と海外の法人ともに重要な無形資産がある場合、移転価格算定方法としては、従来、残余利益分割法(RPSM)が用いられてきました。令和元年の税制改正において、DCF法がその1つに加わり…
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